若い方の中には、かつて派遣は禁止されていたということを知らない人も多いのではないでしょうか。
1985年(昭和60年)に派遣法が制定されるまで、労働者派遣は一切禁止されていました。
派遣法が制定された後も、当初は、常用代替のおそれのない専門的知識等を必要とする13業務のみが対象でした。
しかし、その後、適用対象業務が徐々に拡大していき、現在では適用対象業務は一部の派遣禁止業務を除いて、原則的に自由化されるまでになりました。
現在、厚生労働省においては、派遣労働をさらに拡大させようとする動きがあります。
昨年12月12日に開催された労働政策審議会(第201回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会)では、労働者派遣制度の改正について報告書骨子案(公益委員案)が公表されました(以下では、「公益委員案」とします)。 続きを読む

「ブラック企業」という言葉。ちょっとした流行語になっています。この「ブラック企業」を世に広めたのは、労働相談、労働法教育、調査活動などを若者自身の手で行うNPO法人、POSSEの代表・今野晴貴さんでしょう
民間企業などで働く労働者は、使用者との間に「労働契約」を締結して、その法律関係は労働契約法により規律され、労働者保護が図られています(例えば、解雇に関する労働契約法16条、就業規則不利益変更に関する労働契約法10条など)。