先日、日本労働弁護団主催で、ワークルール教育に関するシンポジウムが開催されました。パネリストとして、道幸哲也教授(放送大学教授・労働法)、上西充子教授(法政大学・キャリアデザイン学)、POSSE代表の今野晴貴氏、神奈川高教組の加藤はる香氏という、多彩なメンバーが参加され、私もコーディネーターとして参加させていただきました。
このシンポジウムで一番印象深かったのは、複数のパネリストから、単なる労働法の知識だけではなく、自分の権利を主張する意識を育てることの必要性が指摘されていたことです。職場で何らかの権利侵害(解雇・賃金未払い・ハラスメントなど)を受けた労働者のうち、労働組合や弁護士に相談する方は、本当にごく少数派でしょう。今の日本で働く労働者のうち、職場での違法行為に対して権利主張するのは、残念ながら本当にごく一部の「変わった人」なのです。
ですが、職場での違法行為に対して、当たり前の権利主張をする人が増えていき、それが「普通の人」になれば、日本の職場に蔓延する「労働法無法地帯化」が改善されていくのではないでしょうか。