Kさんは、業務用電化製品の訪問修理・メンテナンス業務に従事するサブカスタマエンジニア(サブコン)として働いていました。サブコンは、顧客に対する迅速な対応の名のもとに担当地域ごと一人ずつ24時間拘束されて働いていました。会社は、サブコンを会社に拘束して専属的に働かせていましたが、人件費削減のため、社員としては処遇せず、会社との間で「業務委託契約」を結ばせ、完全歩合制で支払いをおこなっていました。
Kさんは、入社して7年目の平成13年、過労のため脳内出血で倒れました(当時55歳)。今でも半身麻痺、言語障害等の後遺症が残ったままです。
会社はサブコンに関しては、労働時間管理は一切おこなわず、健康診断も受けさせず、経済面でも健康面でもサブコンの「自己責任」は徹底されていました。
Kさんは、家族と支援者に支えられ、労災を申請しました。しかし本件では、会社との間で「業務委託契約」を結ばされ働いていたKさんの労働者性がまず認められるのか、そして本件のように、労働時間の管理・記録がまったくない場合、実労働時間をどうみるのかという問題がありました。同じような問題は、本件のように、形式上「業務委託」とされている場合のほか、「請負」とされている場合や、非正規社員、正社員の場合でも労働時間管理がまったくおこなわれていない同様の事案でも多く見られます。

2004年世界アスベスト東京会議