社会・経済」カテゴリーアーカイブ

生活困窮者自立支援制度に関わって/西川治(事務所だより2022年8月発行第65号掲載)

 私は、2019年度から座間市の生活困窮者自立支援制度に助言弁護士として関わっており、今年で4年目になります。
 今回は、この助言弁護士の活動についてご紹介します。

 生活困窮者自立支援制度とは、簡単にいえば、生活保護は受けていないものの、経済的に困窮している人たちからの相談に応じ、情報提供や助言、関係機関との連絡調整などを通じて、その方の自立をサポートしていくものです。
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地方の衰退/石渡豊正(事務所だより2022年8月発行第65号掲載)

 日弁連は、2021年10月に「地方自治の充実により地域を再生し、誰もが安心して暮らせる社会の実現を求める決議」(日弁連ホームページ)(以下、「本件日弁連決議」と言います。)を発表しました。現代日本において地方の衰退が進む中、憲法等の観点からみた問題点やその改善策等について提言をまとめたものです。
 最近、上記決議が出された背景等について講演する機会があり、その背景事情等について少し勉強しましたので、その内容について紹介します。

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「両方の立場で考える」必要があるのか。/田中誠(事務所だより2022年8月発行第65号掲載)

 この4月にNHKニュースを見ていると、ロシアのウクライナ侵攻について早稲田大学の国際法サークルの学生さんたちが模擬裁判をしたという。
 国際司法裁判所を舞台に、ロシア・ウクライナそれぞれの立場で争うという設定だった。ニュース映像では、傍聴したという勉強ができそうな学生さんが「両方の立場に立って考えてみたかった。感情的にならずにまとめる云々」と語っていた。また、主催者側の、優秀そうな学生さんが「善悪で切り取るのでは無くて云々」と語っていた。  続きを読む

「#教師のバトン」プロジェクトの雑感/嶋﨑量(事務所だより2022年1月発行第64号掲載)

 2021年3月、文科省が始めた官製ハッシュタグ#教師のバトンが、教育関係者を中心にSNS上で大きな話題になりました。
 これは、文科省が現場で奮闘する教員の魅力を発信し、質の高い教師を確保して学校の未来に向けてバトンを繋ぐために始めたプロジェクト(*1)でした。ですが、これがSNS上で瞬く間に「炎上」しました。社会から注目されたのは、教員の魅力ではなくこの「炎上」でした。 続きを読む

本はリアル書店で買いたいのだが・・・/田中誠(事務所だより2021年8月発行第63号掲載)

 少年時代、都会にある大きな書店はあこがれだった。
 小学3年のころから中学2年まで三重県で暮らしていた。その町は、歴史のある落ち着いた城下町で、江戸中期には著名な学者を輩出した土地柄だが、書店は、首都圏でいえば私鉄の各駅停車しか止まらない駅の駅前書店のような、小さな書店しかなかった。 続きを読む