自民党で議論されているという「出産したら奨学金減免」という制度について、かなり批判が強いようです。
今回は、この「出産したら奨学金減免」制度を取り上げます。
まず、私はこの制度には賛成ですし、むしろこれまでこういった仕組みがなかった(猶予=先送りのみ)ことがおかしいくらいだと考えています。
他方、奨学金の返還免除を餌に子どもを産ませようという発想であれば軽薄であり、また「異次元」(の少子化対策)と呼ぶにはあまりに貧弱であると考えています。 続きを読む
「社会・経済」カテゴリーアーカイブ
育児と両立可能な働き方を可能とする労働法/嶋﨑量(事務所だより2023年8月発行第67号掲載)
岸田首相が「異次元の少子化対策」を掲げるなど、経済の成長力や社会保障制度の安定性の面からも、少子化対策が大きな政治課題となっています。
これまで長年にわたり実効的な対策が取られなかったのであり、今さら感の漂う政治課題ではありますが、今からでも取り組むべき重要な政治課題であることは間違いありません。 続きを読む
「お気の毒な弁護士」山浦善樹(著)/野村和造(事務所だより2023年1月発行第66号掲載)
司法研修所で同じクラスだった大阪の弁護士に久しぶりに会うことがありました。
その時に、同期(26期)で最高裁裁判官をやった山浦さんが出している「お気の毒な弁護士」という本(*1)はとてもおもしろいと言われ、早速買って読むこととなりました。
生活困窮者自立支援制度に関わって/西川治(事務所だより2022年8月発行第65号掲載)
私は、2019年度から座間市の生活困窮者自立支援制度に助言弁護士として関わっており、今年で4年目になります。
今回は、この助言弁護士の活動についてご紹介します。
生活困窮者自立支援制度とは、簡単にいえば、生活保護は受けていないものの、経済的に困窮している人たちからの相談に応じ、情報提供や助言、関係機関との連絡調整などを通じて、その方の自立をサポートしていくものです。
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地方の衰退/石渡豊正(事務所だより2022年8月発行第65号掲載)
日弁連は、2021年10月に「地方自治の充実により地域を再生し、誰もが安心して暮らせる社会の実現を求める決議」(日弁連ホームページ)(以下、「本件日弁連決議」と言います。)を発表しました。現代日本において地方の衰退が進む中、憲法等の観点からみた問題点やその改善策等について提言をまとめたものです。
最近、上記決議が出された背景等について講演する機会があり、その背景事情等について少し勉強しましたので、その内容について紹介します。