タグ別アーカイブ: 労働

非正規労働者の育休取得/北村理美(事務所だより2017年1月発行第54号掲載)

 マタハラという言葉が世間に浸透してからだいぶ時間が経ちましたが、非正規労働者について、以下のような調査結果があることをご存知でしょうか。

  パート・派遣労働者のうち、出産後も働き続けた労働者の割合は18%、育児休業取得率はわずか4%だというものです(国立社会保障・人口問題研究所 「第14回出生動向基本調査(夫婦調査)」2010年)。なお、同調査によ ると、正社員については、出産後も働き続けた人は52.9%、育児休業取得 率は43.1%でした。

 2016年3月29日、男女雇用機会均等法や育児介護休業法の改正を含む「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立しました(2017年1月1日施行)。

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マタハラ最高裁判決/北村理美(事務所だより2015年9月発行第51号掲載)

news201509S 昨年の夏のたよりで「マタハラ(マタニティ・ハラスメント)」についての記事を書きました。
 それから1年経った現在、「マタハラ」という言葉はあっという間に社会に浸透しました。

 平成26年10月23日、最高裁判所は、妊娠中の軽易業務への転換を「契機として」おこなった降格は「原則違法」とする判断を示しました。この最高裁判決は、マタハラ事件の判決として大きく報じられました。 続きを読む

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残業代による「労働時間規制」はなぜ存在するのか?-残業代ゼロ法は必要ですか-/嶋﨑量(事務所だより2014年8月発行第49号掲載)

news201408_small 労働基準法は、1日8時間・1週40時間を労働時間の最低基準として定め、この最低基準に反する時間外労働に対しては、割増賃金の支払いを義務づけています(労働基準法37条)。
 この残業代に関する労働基準法37条の規定がなぜ存在するのかについては、極めて重要なのに、あまり認識されていません。
 結論からいえば、残業代の支払いを命じるこの労働基準法37条は、長時間労働を抑制して、労働者の命と健康を守り、家庭生活や社会生活の時間を確保するために存在するのです(ご存じでしたか?)。
 例えば、以下のケースで、考えてみて下さい。

  労働契約の定め・・・1日8時間労働、賃金・時給1000円
  ある日の労働時間・・・9時間労働(1時間の残業)
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ブラック企業被害対策とワークルール教育/嶋﨑量(事務所だより2014年1月発行第48号掲載)

news201401_small 先日、日本労働弁護団主催で、ワークルール教育に関するシンポジウムが開催されました。パネリストとして、道幸哲也教授(放送大学教授・労働法)、上西充子教授(法政大学・キャリアデザイン学)、POSSE代表の今野晴貴氏、神奈川高教組の加藤はる香氏という、多彩なメンバーが参加され、私もコーディネーターとして参加させていただきました。

 このシンポジウムで一番印象深かったのは、複数のパネリストから、単なる労働法の知識だけではなく、自分の権利を主張する意識を育てることの必要性が指摘されていたことです。職場で何らかの権利侵害(解雇・賃金未払い・ハラスメントなど)を受けた労働者のうち、労働組合や弁護士に相談する方は、本当にごく少数派でしょう。今の日本で働く労働者のうち、職場での違法行為に対して権利主張するのは、残念ながら本当にごく一部の「変わった人」なのです。

 ですが、職場での違法行為に対して、当たり前の権利主張をする人が増えていき、それが「普通の人」になれば、日本の職場に蔓延する「労働法無法地帯化」が改善されていくのではないでしょうか。

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ブラック企業で働く子を持つ親ができること/北村理美(事務所だより2014年1月発行第48号掲載)

news201401_small   先日、若者の労働・貧困問題に取り組むNPO法人POSSE主催のセミナーで、体調を崩して会社を休職・退職した人、あるいはそうした子どもをもつ親を対象にして講演を行いました。

 内容としては、ブラック企業において典型的に行われている長時間労働やパワハラについて、「法律を使えばこういうことができます。」ということを、労災申請も含めてできるだけわかりやすく説明しました。

 今回のセミナーで特徴的だったのは、労働者本人だけはなく、過酷な労働環境で働く子どもを持つ親も対象にしたことです。 続きを読む

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