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冤罪と自白/野村和造(事務所だより2009年8月発行第39号掲載)

news0908_small 足利事件の菅家さんは、17年半もの苦しみの後、ようやく釈放された。
 控訴審で弁護側は、DNA鑑定の信頼性や自白の客観的事実との食い違いを指摘したが無期懲役判決がなされ、1996年5月最高裁への上告。
 弁護側は、最高裁に、菅家さんの毛髪のDNA型が犯人のものと一致しないとの鑑定結果や科警研DNA鑑定の問題性を指摘した専門家意見などを補充書で提出し、DNA再鑑定の必要性を主張したが、2000年7月、上告棄却。2002年12月宇都宮地裁に再審請求がなされ、2008年2月却下。そして東京高裁でやっとDNAの再鑑定が認められたものである。

  問題があるDNA鑑定について、最新の技術による再鑑定が拒絶され続けてきたことの重要な原因の一つには、自白に対する過信があると思う。
 死刑や無期になるような事件で自らに不利益なことをいうはずがないという思い込みは多くの人々やマスコミだけでなく、裁判官をも支配しているように思える。

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