カテゴリー別アーカイブ: 労災

労災が「自己責任」とされないように/小宮玲子(事務所だより2009年8月発行第39号掲載)

news0908_small Kさんは、業務用電化製品の訪問修理・メンテナンス業務に従事するサブカスタマエンジニア(サブコン)として働いていました。サブコンは、顧客に対する迅速な対応の名のもとに担当地域ごと一人ずつ24時間拘束されて働いていました。会社は、サブコンを会社に拘束して専属的に働かせていましたが、人件費削減のため、社員としては処遇せず、会社との間で「業務委託契約」を結ばせ、完全歩合制で支払いをおこなっていました。

  Kさんは、入社して7年目の平成13年、過労のため脳内出血で倒れました(当時55歳)。今でも半身麻痺、言語障害等の後遺症が残ったままです。
 会社はサブコンに関しては、労働時間管理は一切おこなわず、健康診断も受けさせず、経済面でも健康面でもサブコンの「自己責任」は徹底されていました。
 Kさんは、家族と支援者に支えられ、労災を申請しました。しかし本件では、会社との間で「業務委託契約」を結ばされ働いていたKさんの労働者性がまず認められるのか、そして本件のように、労働時間の管理・記録がまったくない場合、実労働時間をどうみるのかという問題がありました。同じような問題は、本件のように、形式上「業務委託」とされている場合のほか、「請負」とされている場合や、非正規社員、正社員の場合でも労働時間管理がまったくおこなわれていない同様の事案でも多く見られます。

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アスベスト/野村和造(事務所だより2005年1月発行第30号掲載)

news0501_small2004年世界アスベスト東京会議

  世界会議が開かれるということで、造船のアスベストじん肺訴訟についての報告の割り当てが私に回ってきた。仕事に追いまくられている中でのこと、発表はパワーポイント(発表用のスライドを表示するコンピュータ・ソフト)を使うようにとか、経験皆無の私には正直、気が重かった。
 しかし、11月20日早稲田の国際会場に着くと、アスベストのことでよってたかって世界中から集まっているという雰囲気。会議を組織するため費やされた膨大なエネルギーを体で感じた。見慣れた顔をたくさんみつける。この会議は、この人たちが20年以上、ねばり強くアスベストの危険性を訴え続けて蓄積された力の成果なのだ。
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