カテゴリー別アーカイブ: 労働

生活時間の視点から労働時間を考える/嶋﨑量(事務所だより2017年9月発行第55号掲載)

 今年4月、第1子・第2子の産休・育休を取得していた妻が職場復帰しました。3年半ぶりの職場復帰です。

 待機児童が社会問題になるなか、幸い子どもらは自宅近くの保育園に入園することができました。子どもらは慣れない保育園生活、妻は久しぶりの職場復帰と、家族の生活スタイルが大きく変わります。このタイミングで、私が短期間ですが育児休暇をとってみました(第2子出産時にも短期間取得し第1子の面倒を見ていたので、私は2度目の経験です)。

 とはいえ、実態は「育児休業」と呼べるほど大げさなものではありません。慣らし保育を終えた妻が職場復帰する4月半ばから、私が子どもの送迎・食事など家事全般をこなしただけです。子どもが保育園に行っている間や就寝してからは通常通り執務していましたし、外せない予定があれば帰宅した妻や親族に任せ仕事を優先することもできました。しかも2週間程度と短期間です。一般的な労働者(特に女性)が取得する育児休業とは全く異なります。

続きを読む

Pocket

非正規労働者の育休取得/北村理美(事務所だより2017年1月発行第54号掲載)

 マタハラという言葉が世間に浸透してからだいぶ時間が経ちましたが、非正規労働者について、以下のような調査結果があることをご存知でしょうか。

  パート・派遣労働者のうち、出産後も働き続けた労働者の割合は18%、育児休業取得率はわずか4%だというものです(国立社会保障・人口問題研究所 「第14回出生動向基本調査(夫婦調査)」2010年)。なお、同調査によ ると、正社員については、出産後も働き続けた人は52.9%、育児休業取得 率は43.1%でした。

 2016年3月29日、男女雇用機会均等法や育児介護休業法の改正を含む「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立しました(2017年1月1日施行)。

続きを読む

Pocket

ワークルール教育の教材を作っています/石渡豊正(事務所だより2016年9月発行第53号掲載)

news201609s  現在、ワークルール教育の教材を作成中です。
  これは、日本労働弁護団(http://roudou-bengodan.org/)内に設置されたワークルール教育推進法PTの活動の一環です。

  日本労働弁護団では、平成25年3月にワークルール教育推進法PTが設置され、ワークルール教育推進法の制定に向けた活動をしています。
  ワークルール教育推進法とは、簡単に言えば、いつでも、どこでも、誰でもが労働にまつわる法律の実践的な教育を受けられるよう、体制の整備を図る法律です。国や地方公共団体の責務を定めたり、予算措置を講じることなどが内容として予定されます。
   ワークルールPTでは、これまで意見書の発表、シンポジウムの開催など推進法制定に向けた活動を中心に行ってきました。 続きを読む

Pocket

「求人詐欺」問題に取り組もう!/嶋﨑量(事務所だより2016年9月発行第53号掲載)

1 求人詐欺とは?

news201609s 「求人詐欺」問題について、耳されたことはあるでしょうか?
 「求人詐欺」とは、求人票(募集要項)が実際の労働条件と異なる(または、重要な契約内容が十分説明されていない)という問題です。
 例えば、こういったケースです。

  1. ①「正社員」の求人票だったのに、入社後に「半年間はアルバイト」と言われた
    ②「正社員」の求人だったのに、働き始めると「業務委託」だと言われて社会保険にも加入できない
    ③ 求人票には「残業は少ない」と書いてあったのに、働き始めたら月100時間を超える長時間残業があった
    ④ 求人票では「給与25万円」と記載されていただけだが、実際には20万基本給・5万円固定残業代で、長時間残業しても残業代が支払われなかった

続きを読む

Pocket

パワハラがもたらすもの/北村理美(事務所だより2016年1月発行第52号掲載)

news201601s パワハラ(パワー・ハラスメント)を受けたとして、パワハラを行った当事
者や会社に対して慰謝料などの損害賠償を求めたいという相談をたびたび受け
ます。
 このような場合、パワハラ行為があったことを証明できる証拠(たとえばパ
ワハラが行われている際の録音など)を揃えることができるか、そもそも裁判
で損害賠償が認められるパワハラといえるか等が問題となります。
 損害賠償が認められる違法なパワハラかどうかについては、明確な基準はな
く、個別の事情によって総合的に考えることになるのですが、次の定義は参考
になります。 続きを読む

Pocket