カテゴリー別アーカイブ: 労働

書評『うつ病休職』/山岡遥平(事務所だより2017年9月発行第55号掲載)

    唐突ですが、精神科医の中嶋聡先生の書いた『うつ病休職』(新潮新書、2017年)の書評を通じて、思うところを書こうと思います。

 さて、本書は、裁判でも、労災でも、医師の中でも一般的に使用されているDSMⅤやICD-10の診断方法を批判し、「経験ある精神科医」の見て取る「質的」違いを重視する(90-91頁)という、(現在においては)一種独特の考えに立っています。そして、この考えに基づき、本来「うつ病」ではない人も「うつ病」と診断する医者が増えており、その診断を利用して、使用者側も労働者側も本質的な問題から逃避し、医者すらその構造に乗っている、と主張します。また、そのような構造を回避するため、著者は抑うつ反応等を「苦悩」としてうつ病等病気と区別し、前者にはむしろより患者側に積極的な回復への取り組みを求め、それを助けるとしています。そして、苦悩の解決には、患者の「主体的決定の余裕が残されている」と著者はいいます(171頁)。

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実践!「ワークルール教育」/石渡豊正(事務所だより2017年9月発行第55号掲載)

 昨年夏の「事務所たより」で「ワークルール教育の教材を作っています。」との表題で、私のワークルール教育に関する取組みを紹介したところ、それを読んでいただいた某女子大学の先生からワークルール教育の講師依頼がありました。

 インターネットがこれだけ普及した時代に、紙媒体の「事務所たより」がどれだけ読まれているのか多少懐疑的となっていた私でしたが、今回このようなご依頼をいただき、「事務所たより」にしっかりと目を通してくださる方々がおられることを認識しました。「事務所たより」の価値も見直さねばならないかと考えております。

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生活時間の視点から労働時間を考える/嶋﨑量(事務所だより2017年9月発行第55号掲載)

 今年4月、第1子・第2子の産休・育休を取得していた妻が職場復帰しました。3年半ぶりの職場復帰です。

 待機児童が社会問題になるなか、幸い子どもらは自宅近くの保育園に入園することができました。子どもらは慣れない保育園生活、妻は久しぶりの職場復帰と、家族の生活スタイルが大きく変わります。このタイミングで、私が短期間ですが育児休暇をとってみました(第2子出産時にも短期間取得し第1子の面倒を見ていたので、私は2度目の経験です)。

 とはいえ、実態は「育児休業」と呼べるほど大げさなものではありません。慣らし保育を終えた妻が職場復帰する4月半ばから、私が子どもの送迎・食事など家事全般をこなしただけです。子どもが保育園に行っている間や就寝してからは通常通り執務していましたし、外せない予定があれば帰宅した妻や親族に任せ仕事を優先することもできました。しかも2週間程度と短期間です。一般的な労働者(特に女性)が取得する育児休業とは全く異なります。

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非正規労働者の育休取得/北村理美(事務所だより2017年1月発行第54号掲載)

 マタハラという言葉が世間に浸透してからだいぶ時間が経ちましたが、非正規労働者について、以下のような調査結果があることをご存知でしょうか。

  パート・派遣労働者のうち、出産後も働き続けた労働者の割合は18%、育児休業取得率はわずか4%だというものです(国立社会保障・人口問題研究所 「第14回出生動向基本調査(夫婦調査)」2010年)。なお、同調査によ ると、正社員については、出産後も働き続けた人は52.9%、育児休業取得 率は43.1%でした。

 2016年3月29日、男女雇用機会均等法や育児介護休業法の改正を含む「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立しました(2017年1月1日施行)。

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ワークルール教育の教材を作っています/石渡豊正(事務所だより2016年9月発行第53号掲載)

news201609s  現在、ワークルール教育の教材を作成中です。
  これは、日本労働弁護団(http://roudou-bengodan.org/)内に設置されたワークルール教育推進法PTの活動の一環です。

  日本労働弁護団では、平成25年3月にワークルール教育推進法PTが設置され、ワークルール教育推進法の制定に向けた活動をしています。
  ワークルール教育推進法とは、簡単に言えば、いつでも、どこでも、誰でもが労働にまつわる法律の実践的な教育を受けられるよう、体制の整備を図る法律です。国や地方公共団体の責務を定めたり、予算措置を講じることなどが内容として予定されます。
   ワークルールPTでは、これまで意見書の発表、シンポジウムの開催など推進法制定に向けた活動を中心に行ってきました。 続きを読む

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